高齢者にとって安全な階段の形【介護福祉士試験2023年-問81】

高齢者にとって安全な階段の形【介護福祉士試験2023年-問81】 介護福祉士試験

高齢者が階段を上り下りするとき、どんな構造が適しているのでしょうか?

普段、階段の形状について深く考えることはほとんどありません。

介護の専門的な視点から「便利だな」と考える階段の構造について考えてみましょう。

とは言っても、それほど特別なものではありません。

高齢者が(文字通り)つまずきやすいポイントが分かれば理解しやすいです。

「当たり前に」使いやすければ、それが正解です。

介護福祉士国家試験に実際に出題された問題を取り上げて解説します。

介護福祉士に一発合格し、老健で勤務した筆者が分かりやすくお伝えします。

受験勉強中の方はもちろん、勉強に疲れた方も、受験をあきらめている方も気軽にご覧ください。

問題と正答【2023年-問81】

高齢者にとって安全な階段とは何かを尋ねた問題です。

専門職としての知識を質問しているのですが、問題を解くにあたり、特に身構えなくて大丈夫です。

「使いやすい」か「使いにくい」か……それぞれ判断して正解を選別しましょう。

問題の後に正答を記載しています。

問題 81 高齢者の安全な移動に配慮した階段の要件として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 手すりを設置している。

2 階段の一段の高さは,25 cm以上である。

3 階段の足をのせる板の奥行は,15 cm 未満である。

4 階段の照明は,足元の間接照明にする。

5 毛の長いじゅうたんを敷く。

正答 1

筆者は以下のように考えました。

1 手すりは設置しないより、設置するほうがいい →正解

2 階段の高さ25㎝は昔の玄関の上がり框(かまち)の高さ  →高すぎる

3 大人の靴のサイズは最低でも23cmくらいはあるだろう   →15㎝は狭すぎる

4 間接照明はオシャレだが高齢者にとっては見えにくいのでは?  →暗い

5 フカフカしたじゅうたんで滑り止め?いや、つまずいてしまう  →歩きにくい

ということで正答1を選びます。

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高齢者は見えにくくてつまずきやすい

高齢者の特徴とは何でしょう。

試験対策として、ここでは一般的な特徴を挙げます。

高齢者の特徴
  • 目が見えにくい(ぼんやりとする、近くしか見えない)
  • 足の運びが不安定(筋力低下、持病が原因)
  • 感覚が鈍い

ほかにもありますが、以上を押さえておけば階段に関する問題で正解することができます。

解説

問題 81 高齢者の安全な移動に配慮した階段の要件として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 手すりを設置している。

  • 手すりが設置されて困ることはありません。  →正しい

2 階段の一段の高さは,25 cm以上である。

  • 上がり框(かまち)並みの高さです。高すぎます。  →誤り
  • 高齢者は足の運びが不安定です。

3 階段の足をのせる板の奥行は,15 cm 未満である。

  • 大人の足のサイズを考慮すると、奥行き15cm未満では足全体が階段に乗りません。  →誤り

4 階段の照明は,足元の間接照明にする。

  • 高齢者は目が見えにくい傾向があります。
  • 間接照明は直接照らされないため暗く感じます。  →誤り
  • ※手すりを使うことを想定すると、足元だけではなく全体を照らすほうが良いです。

5 毛の長いじゅうたんを敷く。

  • 足の運びが不安定で、つまずく原因になるため危険です。  →誤り
  • ※滑り止めを取り付けると使いやすくなります。

正答 1

実際には個人差があるので、高齢者にとって使いやすい階段に正解はありません。

あくまでも最適解を選びます。

具体的には、明らかに誤りであると判断した選択肢を消去するのが良いでしょう。

2023年介護福祉士試験の記事をまとめました。

こちらの記事もご覧ください。

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まとめ

高齢者の一般的な特徴は次の通りです。

高齢者の特徴
  • 目が見えにくい(ぼんやりと見えない、近くしか見えない)
  • 足の運びが不安定(筋力低下、持病が原因)
  • 感覚が鈍い

これらの特徴を理解したうえで、高齢者にとって使いやすい階段を考えます。

回答するうえでは、高齢者に適さないもの(誤り)を消去して、残った正解を選ぶと良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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