ターミナルケア出題ポイント5つ【介護支援専門員試験2023年-問40】

ターミナルケア出題ポイント5つ【介護支援専門員試験2023年-問40】 介護支援専門員試験

ターミナルケアについてよく出題されるけれど、間違えてしまう…

どんな問題が出るの?

ポイントを教えて!

近年は多死社会と言われ、ターミナルケア(看取り)が重要視されています。

ケアマネジャーが実際にご利用者の死期に立ち会うことは稀です。

しかし、ターミナルケアを希望されたご本人の意向に沿って、調整をする役割があります。

ターミナルケア出題パターンの一例を挙げます。

〇 正しい× 誤り
ご本人の意向に沿うご本人抜きの話し合い
身体的苦痛と精神的苦痛の軽減身体的苦痛のみ軽減
チーム協調専門の枠内で個人プレー
死を受け入れる死を避ける
グリーフケア家族は支援の対象外
ターミナルケア出題のポイント

実務でも使える重要ポイントを押さえておけば、本試験でも得点できます。

「何度出題されても得点できない」と悩む方に読んでいただきたい記事です。

老健でターミナルケアのプラン作成をしていた筆者が分かりやすくお伝えします。

問題と正答【2023年-問40】

ターミナルケア(看取り)は「介護」と「医療」の知識が少しずつ必要です。

さっそく問題を解いてみます。

問題40 ターミナルケアについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1. 人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境の整備は、法律に基づく政府の努力義務とされている。

2. 介護保険の特定施設は、看取りの場となり得る。

3. 看護師は、死亡診断書を作成することができる。

4. 痛みの訴えは、身体的な要因によるものであるため、医療処置で対応できる。

5. グリーフケアとは、遺族の悲嘆への配慮や対応を行うことである。

1・2・5

解法のポイント

1.「人生の最終段階」とはよく聞きますが、政府が果たすのは、「義務」か「努力義務」か?

2.有料老人ホームなどの特定施設が、看取りの場と「なり得るか」という質問。看取りの場となってはいけなければ×ですが…

3.死亡診断書には死亡日時や死亡原因を記載する欄があります。

4.痛みの訴えは、身体的な要因に限られるのか?

5.グリーフケアのグリーフは「悲嘆」の意味です。

選択肢1 法律の「義務」と「努力義務」について、こちらの記事もご覧ください。

ターミナルケア出題パターン5つ

ターミナルケアについて注意しなければならないことは分かっているけれども、なぜか試験で失点することがあります。

介護支援専門員試験だけではなく、介護福祉士や社会福祉士の試験でも同じことが言えます。

それぞれ問題のクセがあるためです。

実務で重要なことと、問題に出題されやすいポイントは概ねズレていません。

実務で重要なことは、試験でそのまま出題されます。

しかし、問われ方に慣れていないために、違った解釈をしてしまうことが失点する原因です。

対策としては問題のクセを把握する、つまり、より多くの問題に接することで解決できます。

「質」より「量」とも言えます。(質も大事ですが…)

ターミナルケアに関する問題を正解するためのポイントを5つ挙げました。

ターミナルケアのポイントは…

〇 正しい× 誤り
ご本人の意向に沿うご本人抜きの話し合い
身体的苦痛と精神的苦痛の軽減身体的苦痛のみ軽減
チーム協調専門の枠内で個人プレー
死を受け入れる死を避ける
グリーフケア家族は支援の対象外
ターミナルケア出題のポイント

一つずつ具体的に説明します。

ご本人の意向に沿う

ターミナルケアに限らず、ケアの大前提に「意思決定の尊重」があります。

ご本人の意向が、支援者であるご家族や専門職(介護職員、医師、看護師など)よりも優先されます。

意思決定の尊重に関して、例外はありません。

絶対的に本人第一主義です。

身体的苦痛と精神的苦痛の軽減

穏やかに最期を迎えたいと願う人が多いです。

どんなに穏やかでも、急変して苦しくなることもあります。

医療行為が必要になることもあります。

あらかじめ医療を望むかご利用者の意向を確認しておくのがベストです。

一方で、精神的なケアも身体的ケアと同じくらい重要です。

「身体的」、「精神的」のどちらが欠けても不正解です。

両方備わることで、初めてターミナルケア成立です。

なるべく穏やかに過ごしてもらうための支援が求められます。

チーム協調

亡くなることがゴールとされるターミナルケアでは、少なからず医療と介護の連携が必要になります。

特に施設や病院では職種により仕事が分業になっているため、緊密な連携が求められます。

自分が受け持つ仕事の範囲内で、ターミナルケアを完結することはできません。

専門職の役割を発揮することは大切なのですが、それだけでは不十分です。

チーム全体を管理できる役割が必要です。

それがケアマネジャーの役割と言えます。

死を受け入れる

繰り返しになりますが、ターミナルケアは亡くなったときがゴールです。

周囲の支援者が死を受け入れなければ、ご本人は穏やかに過ごすことができません。

生きていればいつかは死が訪れます。

死を受け入れる心構えが必要です。

もしも生存・延命にゴールが設定(変更)されるならば、ターミナルケアは中止となります。

これは試験対策のポイントですが、ケアプラン作成のポイントにもなります。

グリーフケア

グリーフケアは「悲嘆の支援」です。悲しみをサポートします。

これまで、ご本人を中心とした支援について述べました。

しかし、グリーフケアはご本人ではなく、ご家族への支援です。

ご家族がご本人の死を受け入れる場面です。

悲しむことは悪いことではありません。

特別なことでもありません。

ケアマネジャーとして、ご家族が徐々に悲しむ状態を受け入れるよう支援すれば大丈夫です。

介護福祉士試験でグリーフケアについて出題されました。

よろしければ、こちらもご覧ください。

解説

改めて問題を解くと、クセが分かると思います。

各選択肢に簡単な解説を加えました。

問題40 ターミナルケアについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1. 人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境の整備は、法律に基づく政府の努力義務とされている。

〇 正しい

「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」2条1項

「……環境の整備等に努めるものとする。」 = 努力義務です。

2. 介護保険の特定施設は、看取りの場となり得る。

〇 正しい

近年病院での看取りが増加しているため、施設での看取りを推奨する傾向にあります。

※有料老人ホームだけでなく、特養や老健、サ高住などあらゆる施設が看取りの場となり得ます。

3. 看護師は、死亡診断書を作成することができる。

× 誤り

死亡原因や死亡時刻の推定など、医師でなければ判断できない項目があります。

4. 痛みの訴えは、身体的な要因によるものであるため、医療処置で対応できる。

× 誤り

身体的苦痛と精神的苦痛があります。

「身体的な要因によるものである」が誤り。

5. グリーフケアとは、遺族の悲嘆への配慮や対応を行うことである。

〇 正しい

グリーフは「悲嘆」の意味です。

支援の対象者は遺族です。

正答 1・2・5

おさらい記事はこちら

以下のリンクから、お好きな記事へアプローチすることができます。

ぜひご活用ください。

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まとめ

ターミナルケアの要点についてお伝えしました。

ターミナルケア出題のポイントは…

〇 正しい× 誤り
ご本人の意向に沿うご本人抜きの話し合い
身体的苦痛と精神的苦痛の軽減身体的苦痛のみ軽減
チーム協調専門の枠内で個人プレー
死を受け入れる死を避ける
グリーフケア家族は支援の対象外
ターミナルケア出題のポイント

ターミナルケアについて知っておくと、実務できっと役に立ちます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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