介護業務の申し送りの目的6つ【介護福祉士試験2023年-問78】

介護業務の申し送りの目的6つ【介護福祉士試験2023年-問78】 介護福祉士試験

毎日当たり前のように行っている「申し送り」

日勤から夜勤へ、夜勤から日勤へ、どんなことに気を付けて伝達していますか?

筆者は新人のとき、何を伝えてよいかわからず、些細な出来事を永遠と伝え相手を飽き飽きさせてしまったことがありました。

ときには、大事なことを伝え忘れて勤務明けに職場から電話がかかってくることもありました。

そんな経験をした方も多いのではないでしょうか?

申し送りをする目的は次の通りです。

申し送りの目的

・利用者のことを理解するため

・スタッフの対応を均一にするため

・スタッフ自身を守るため

・介護業務の質や意識の向上

・連携の円滑化

・ケアマネジメントに活用することができる

申し送りで気を付けることは次の通りです。

申し送りの留意点

・ケース毎に5W1Hに沿って箇条書きで作成

・話の順序を組み立てる

・簡潔に伝える

・正確な情報を伝える

・事実と意見を分ける

この記事を読めば、介護福祉士国家試験の学習に役立ちます。

申し送りの意味について振り返るきっかけにもなります。

介護福祉士の筆者が分かりやすく解説します。

気楽にご覧ください。

問題と正答【2023年-問78】

介護福祉士試験ではどのように出題されるのか確認しましょう。

問題 78 介護実践の場で行われる,勤務交代時の申し送りの目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 翌月の介護福祉職の勤務表を検討する。

2 利用者のレクリエーション活動を計画する。

3 利用者の問題解決に向けた事例検討を行う。

4 利用者へのケアの継続性を保つ。

5 利用者とケアの方針を共有する。

正答 4

「勤務交代時の申し送り」なので、おそらく毎日勤務前後に行うアレですね。

1か月に1回行う会議などとは違いますのでケアレスミスに気を付けます。

申し送りは自分が勤務していなかった間に起こった出来事を情報収集する場だと考えます。

「利用者のため」の情報収集であることが前提です。

すると、「4」または「5」に絞られます。

申し送りは「利用者へどんな対応をしたか」を共有するために必要なことなので、「継続性」がある「4」を選びます。

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申し送りをする目的

申し送りをする目的は次の通りです。

申し送りの目的

1 利用者のことを理解するため

  • 情報共有すると、一人で対応するよりも効率的に利用者を理解することができます。

2 スタッフの対応を均一にするため

  • スタッフ間でバラバラな対応をすると利用者の方は困ってしまいます。

3 スタッフ自身を守るため

  • 重大な事故が発生すると訴訟に発展することもあります。スタッフ間で情報共有しておくと組織で対応することができます。

4 介護業務の質や意識の向上

  • 例えば、他のスタッフが上手に対応した事例を見て、自分も真似してみるといったことです。

5 連携の円滑化

  • 看護師やPT、OTなど他の職種も申し送りに出席していれば、専門職の意見をその場で聞くことができます。

6 ケアマネジメントに活用することができる

  • ケアマネジャーは、他の専門職の意見を取り入れて、ケアプランの評価やモニタリングに活用することができます。

申し送りをするうえで気を付けること

今回の問題78では申し送りの「目的」について尋ねていますが、ここで申し送りの「留意点」を確認したいと思います。

「申し送り」は慣れるまでは、何から伝えてよいのかわからず、順番が前後する、重要ではないことを伝えるなど、しだいに頭の中が混乱してしまいます。

申し送る前に準備が必要です。

申し送りで気を付けることは次の通りです。

申し送りの留意点

1 利用者ごとに5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)に沿って箇条書きで作成

  • 前もってノートなどに書いてみましょう。
  • 書くことにより頭の中が整理されます。

2 話の順序を組み立てる

  • テンプレートを作ると良いです。決まった型はありません。
  • 自分が聞き手の立場なら、どんな順序が良いかを考えます。

3 簡潔に伝える

  • 上記1と2ができていれば簡潔に伝えることができます。

4 正確な情報を伝える

  • あいまいで不確かな情報はなるべく伝えないようにします。
  • 不確かな情報を伝える場合は前置きをして事実と分けて伝えましょう。
  • 不確かなことは後述5の「意見」になります。

5 事実と意見を分ける

  • 原則として申し送りは事実を伝達するものです。
  • 事実だけを伝えても伝わりにくい場合もあります。
  • そのときは、事実を伝えた後「ここからは私の意見ですが、…〇〇だと思います。」と意見を付け加えると聞き手は事実と意見を分けることができ、理解しやすくなります。

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解説

以上を踏まえて問題を検討します。

問題 78 介護実践の場で行われる,勤務交代時の申し送りの目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 翌月の介護福祉職の勤務表を検討する。

  • スタッフのためではなく、利用者のために申し送りを行います。  →誤り

2 利用者のレクリエーション活動を計画する。

  • 勤務交代時の申し送りでは、勤務時間帯の利用者の様子について伝達します。
  • レクリエーション活動の計画は、申し送りではなく「会議」で話し合います。  →誤り

3 利用者の問題解決に向けた事例検討を行う。

  • 勤務交代時の申し送りでは、勤務時間帯の利用者の様子について伝達します。
  • 問題解決に向けて話し合うこともありますが、時間が長引いてしまいます。
  • 申し送りではなく、「会議(カンファレンス)」で話し合う内容です。  →誤り

4 利用者へのケアの継続性を保つ。

  • スタッフの対応を均一化(統一)するためです。  →正しい

5 利用者とケアの方針を共有する

  • 「利用者」との共有ではなく、「スタッフ間」の共有を目的としています。  →誤り

正答 4

昨今ICT化が進んでいます。便利な情報機器を導入されている事業所もあると思います。

パソコンやスマホでどこでも記録ができ、タイムリーに情報共有できると便利ですね。

申し送りも楽に進められるかもしれません。

2023年の介護福祉士試験の記事をまとめました。

こちらの記事もご覧ください。

まとめ

申し送りをする目的は次の通りです。

申し送りの目的

・利用者のことを理解するため

・スタッフの対応を均一にするため

・スタッフ自身を守るため

・介護業務の質や意識の向上

・連携の円滑化

・ケアマネジメントに活用することができる

申し送りで気を付けることは次の通りです。

申し送りの留意点

・ケース毎に5W1Hに沿って箇条書きで作成

・話の順序を組み立てる

・簡潔に伝える

・正確な情報を伝える

・事実と意見を分ける

以上、少しでも参考になれば幸いです。

読んでいただきありがとうございました。

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