「介護過程」って初めて聞く言葉だけれど、なんのこと?
介護過程とは、介護を実践するための一連の流れのことです。
流れとは「情報収集(アセスメント) → 計画 → 実践 → 評価」です。
介護福祉士の先入観ではなく、「科学的根拠」や「専門性」に基づいた介護サービスを提供することを目的としています。
強引に一言で言うと、介護過程とは「科学的で専門的なプロセス」です。
今回は理論のお話になりますが、日ごろ取り組んでいる記録やカンファレンスの意義を理解することができます。
介護福祉士国家試験で出題された問題を解説します。
老健で長年勤務した筆者がお伝えします。
問題と正答【2023年-問106】
ズバリ介護過程の目的を問う問題です。
さっそく解いてみましょう。
問題の直後に正答を記載しています。
問題 106 介護過程を展開する目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 業務効率を優先する。
2 医師と連携する。
3 ケアプランを作成する。
4 画一的な介護を実現する。
5 根拠のある介護を実践する。
正答 5
「1 業務効率を優先する。」と「4 画一的な介護を実現する。」は介護過程というより、「介護」の目的に反している気がするので、明らかに違うと判断できます。
科学的かつ専門的
介護過程は「科学的根拠」や「専門性」に基づいた介護サービスを提供することを目的としています。
介護スタッフ1人の「先入観」は捨て去り、あくまでも「客観的な」介護を提供するものです。
介護過程の目的はこれがすべてです。
<広告>
介護過程の流れ
介護過程の目的を理解すれば本問を解くことができます。
ついでに、介護過程の流れについて併せて確認しましょう。
1~4のサイクルをグルグルと回して良いケアに繋げるのですね。
現代では古いと言われていますが、「PDCA」と似ています。
解説
介護過程とは独りよがりではなく、誰から見ても認められるような客観的な介護を提供するために実施するプロセス(過程)です。
改めて問題に取り組んでみましょう。
問題 106 介護過程を展開する目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 業務効率を優先する。
- スタッフのためではなく、利用者のために行うものです。 →誤り
- ※結果として業務効率が上がる場合もありますが、介護過程の「目的」ではありません。
2 医師と連携する。
- 介護福祉士試験でよく出る「多職種連携」ですが……こと「介護過程」において他の専門職は出てきません。
- あくまでも「介護職」向けのプロセスです。 →誤り
3 ケアプランを作成する。
- ケアプランを作成するのは「介護支援専門員(ケアマネジャー)」です。
- 介護福祉士はケアプランを作成することができません。 →誤り
- ※介護過程はケアマネジメントと似ています。介護福祉士が行うのは「介護過程」、ケアマネが行うのは「ケアマネジメント」です。内容はかなり似ています。同じと言っても良いくらいです。
4 画一的な介護を実現する。
- 画一的な介護はNGです。個別にケアするのが基本です。 →誤り
5 根拠のある介護を実践する。
- 介護過程は「科学的根拠」に基づいた介護サービスを提供することを目的にしています。 →正しい
正答 5
選択肢2「医師と連携する」について、
介護過程というと、それぞれの職種が集まって話し合うイメージがありますが違います。
それも大切なのですが、
介護過程は介護福祉士としての専門的なプロセスなので、「多職種連携」は話題になりません。
解説は以上です。いかがでしたか?
2023年介護福祉士試験についてまとめました。
こちらの記事もご覧ください。
<広告>
<広告>
まとめ
介護過程とは、介護を実践するための一連の流れのことです。
流れとは「情報収集(アセスメント) → 計画 → 実践 → 評価」です。
介護福祉士の先入観ではなく、「科学的根拠」や「専門性」に基づいた介護サービスを提供することを目的としています。
強引にまとめると、介護過程とは「科学的で専門的なプロセス」です。
つまり、客観的なプロセスのことです。
少し難しいテーマでした。
介護過程について、毎年同じ内容の問題が繰り返し出題されます。
一度理解してしまえば楽に解くことができます。
以上、参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。