障害を持つ人にとっても、そうでない人にとっても使いやすい物ってありますよね。
「ユニバーサルデザイン」とは、みんなにとって使いやすいデザインのことです。
かつて国際社会ではバリアフリーを目指していました。
バリアフリー社会とは、障害者のために「バリア=障害物」を取り除くことです。
しかし、現在ではその考え方も古くなっています。
誰が使っても使いやすい、そんなデザインが主流になっています。
介護福祉士試験ではカタカナ用語が頻出です。
ひとつずつ覚えるしかないのですが、出てきた問題を中心に押さえておきましょう。
過去問題を取り上げて解説します。
社会福祉士・介護福祉士の筆者がお伝えします。
簡単な読み物ですので、仕事や勉強に疲れたらお読みください。
問題と正答【2023年-問68】
まずは問題をざっと見てみましょう。
問題 68 すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて,どこでも,だれでも,自由に,使いやすくという考え方を表す用語として,適切なものを1つ選びなさい。
1 ユニバーサルデザイン(universal design)
2 インフォームドコンセント(informed consent)
3 アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
4 リビングウィル(living will)
5 エンパワメント(empowerment)
正答 1
選択肢を見ると、どれも一度は聞いたことある言葉かと思います。
次の章でユニバーサルデザインの意味を考えてみましょう。
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キーワードは「すべての人」が「使いやすい」
ユニバーサルとは「普遍的な」「一般的な」「共通の」といった意味があります。
普遍的なデザインのことをユニバーサルデザインと言います。
具体的には、障害者や高齢者に限らず、誰にとっても便利で使いやすい物や設備のことを指します。
近い言葉に「バリアフリー」があります。
「障壁を取り除く」と言う意味のバリアフリーも同じように、使いやすいデザインを目指していました。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは、対象者にあります。
ユニバーサルデザインは「すべての人」を対象にしています。
バリアフリーは「障害者や高齢者など」を対象にしています。
かつてはバリアフリーを目指し、障害者や高齢者などを優先した設計になっていました。
しかし、「障害者や高齢者が使いやすい物は、すべての人にとって使いやすくてもいいのでは?」という考え方も普及しました。
まさに、それがユニバーサルデザインの考え方です。
現在の構造物はバリアフリーではなく、ユニバーサルデザインの思想に基づいて設計されることが主流です。
解説
問題に戻り、他の用語も併せて解説します。
問題 68 すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて,どこでも,だれでも,自由に,使いやすくという考え方を表す用語として,適切なものを1つ選びなさい。
1 ユニバーサルデザイン(universal design)
- universal = 普遍的な、共通の
- 誰にとっても使いやすいデザインのことです。 →正しい
2 インフォームドコンセント(informed consent)
- informed = 通知する consent = 同意
- 医師が治療内容を患者へ「説明」して「同意」を得ることです。 →誤り
3 アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
- advance = 前もって care = 介護 planning = 計画
- 年齢や病気にかかった時期に関わらず、価値、 人生目標、どんな医療やケアを受けたいかを患者と援助者が共有することです。 →誤り
4 リビングウィル(living will)
- living = 生前の will = 意思
- どんな医療やケアを受けたいか、事前に選択し意思表示しておくことです。 →誤り
5 エンパワメント(empowerment)
- empower = 力を与える
- 一人一人が持っている能力や可能性を湧き出させ(引き出し)、自己決定をしてもらうことです。 →誤り
正答 1
分からない言葉が出てきても、英単語の意味である程度イメージできる場合があります。
英単語が分からなくても、数多く過去問で復習すれば徐々に馴染んでくると思います。
慌てずに、必ずどれか一つを選択しマークしましょう。
解説は以上です。いかがでしたか?
2023年の介護福祉士試験の記事をまとめました。
こちらの記事もご覧ください。
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まとめ
普遍的なデザインのことをユニバーサルデザインと言います。
具体的には、障害者や高齢者に限らず、誰にとっても便利で使いやすい物や設備のことを指します。
「障害者や高齢者が使いやすい物は、すべての人にとって使いやすくてもいいのでは?」という考え方であり、バリアフリーとは異なる概念です。
障害者や高齢者を特別扱いするのではなく、すべての人にとって使いやすいというのが「いいね!」共感です。