認知症ライフサポートモデルは「多職種連携」と「本人主体」【介護福祉士試験2023年-問47】

認知症ライフサポートモデルは「多職種連携」と「本人主体」【介護福祉士試験2023年-問47】 介護福祉士試験

介護福祉士試験で「認知症ライフサポート」について出題されたけれど、それって何のこと?

自分で調べてみたけれど、難しくてよくわからない…

「認知症ライフサポートモデル」とは、介護職、医療職といった専門職同士が連携して認知症の方(「本人」と呼びます)のために総合的な支援をすることです。

以下、引用文を要約して記載します。

「認知症ライフサポートモデル」とは、認知症の人への医療・介護を含む統合的な生活支援を意味しています。医療も介護も生活支援の一部であることを十分に認識し、医療と介護等が相互の役割・機能を理解しながら、統合的な支援に結びつけていくことを目指しています。

(6つの認知症ケアの基本的な考え方を専門職同士が共有し支援します。)

・本人主体のケアを原則とすること

・社会とのつながりを継続しつつ生活の中でのケアを提供すること

・本人の力を最大限に活かしたケアに取り組むこと

・早期から終末期までの継続的な関わりと支援に取り組むこと

・家族支援に取り組むこと

・介護・医療・地域社会の連携による総合的な支援体制を目指すこと

認知症ライフサポートモデルを実現するための認知症多職種協働研修における効果的な人材育成のあり方に関する調査研究事業検討委員会編『「認知症ライフサポートモデル」普及・推進に向けた認知症ライフサポート研修テキスト(第2版)』2013年
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000530981.pdf

介護福祉士試験で出題されるときは、上記の知識があれば確実に解答できます。

しかし、前提知識がなくても正答を探し当てることができます。

介護福祉士試験に一発合格した筆者が解法を分かりやすくお伝えします。

短時間で合格を目指している方、仕事や家事などで学習に時間を割けない方、ぜひご覧ください。

問題と正答【2023-問47】

認知症ライフサポートモデルは2013年(平成25年)の「認知症施策推進5か年計画」に盛り込まれていました。

実はそれほど真新しいキーワードではありません。

ですが、2023年の試験に出題されました。

どんなものなのか、問題を見てみましょう。

問題の後に正答を記載しています。

問題 47 認知症ライフサポートモデルに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 各職種がそれぞれで目標を設定する。
  2. 終末期に行う介入モデルである。
  3. 認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。
  4. 生活を介護サービスに任せるプランを策定する。
  5. 認知症(dementia)の人に施設入所を促す。

正答 3

「認知症」の方の「ライフ=人生・生活」を「サポート=支援」する「モデル=ひな型」というヒントをもとに、選択肢を見ると、、、

終末期に限ったサポートではなさそうです。→2ではない

認知症だからと言ってすぐ施設入所を促すのはサポートになっていない。→5ではない

とりあえず、1・3・4まで絞り込むことができそうです。

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「多職種連携」「本人主体」がキーワード

記事の冒頭に引用した研修テキストを再掲します。

重複する部分は読み飛ばしていただいて結構です。

「認知症ライフサポートモデル」とは、認知症の人への医療・介護を含む統合的な生活支援を意味しています。医療も介護も生活支援の一部であることを十分に認識し、医療と介護等が相互の役割・機能を理解しながら、統合的な支援に結びつけていくことを目指しています。

※認知症の人を支えるには、

(1)疾病および体調管理から、日常生活の支援、自己決定に関わることまで、総合的な支援が求められており、

(2)早期から終末期まで地域社会の中で支えていく継続的な関わりを基本に、生活支援を中心とする支援が求められます。

※ライフ(Life)は、「生命」「生活」「人生」等の意味があり、その人が生きてきた人生や、出会いから終末までの継続的な関わりが含まれる言葉です。

サポート(Support)は、支える、支持する等の意味があり、主体は本人であることを前提とする言葉です。

以上の考え方から、今後求められる認知症ケアの新たなステージとして、「認知症ライフサポートモデル」という言葉が選択されました。

<6つの認知症ケアの基本的な考え方>

・本人主体のケアを原則とすること

・社会とのつながりを継続しつつ生活の中でのケアを提供すること

・本人の力を最大限に活かしたケアに取り組むこと

・早期から終末期までの継続的な関わりと支援に取り組むこと

・家族支援に取り組むこと

・介護・医療・地域社会の連携による総合的な支援体制を目指すこと

認知症ライフサポートモデルを実現するための認知症多職種協働研修における効果的な人材育成のあり方に関する調査研究事業検討委員会編『「認知症ライフサポートモデル」普及・推進に向けた認知症ライフサポート研修テキスト(第2版)』2013年
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000530981.pdf

(外部リンク)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000530981.pdf

なんとなくイメージできたでしょうか?

やはり「見えてこない…」と感じられたでしょうか?

国の政策から発信されるフレーズがイメージしにくいです。

「つまり、何なのか」と……率直にそう思います。

基本的な方向性を示しているだけであり、具体的に「これをしなさい」と言っているわけではない場合もあります。

「認知症ライフサポートモデル」にもこれが当てはまります。

ですから実体のないもののように聞こえてしまいます。

とは言っても、試験問題として出題されるので無視はできません。

認知症ライフサポートモデルを筆者なりに要約すると、

「多職種の専門職同士が連携して、本人が自己決定できるよう支援をすること」

これをキーワードで要約すると、「多職種連携」と「本人主体」です。

日本の認知症施策について、別の記事で説明しています。

ケアマネ試験対策ですが、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

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解説

「多職種連携」と「本人主体」に沿った選択肢が正解です。

さきほどの問47を分析します。

問題 47 認知症ライフサポートモデルに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 各職種がそれぞれで目標を設定する。

  • それぞれが目標を設定すると、バラバラに評価をすることになってしまいます。
  • 「多職種連携」の考え方に反します。  →誤り

2 終末期に行う介入モデルである。

  • 早期から終末期までの継続した関わりが求められます。
  • 特に、認知症の場合は終末期よりも初期の介入が重要です。  →誤り

3 認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。

  • 「本人主体」の考え方です。  →正しい

4 生活を介護サービスに任せるプランを策定する。

  • 介護職に丸投げするのは「多職種連携」に反します。  →誤り

5 認知症(dementia)の人に施設入所を促す。

  • 「本人主体」に反します。   →誤り

正答 3

聞きなれない用語が出てきても慌てずに問題文を読み進めましょう。

必ず正解が1つあるので、どれか1つをマークしましょう。

解説は以上です。いかがでしたか?

2023年の介護福祉士試験の記事をまとめました。

こちらの記事をご覧ください。

まとめ

認知症ライフサポートモデルは一言で言うと、

「多職種の専門職同士が連携して、本人が自己決定できるよう支援をすること」です。

「多職種連携」と「本人主体」であることを理解すればOKです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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