介護医療院って何?【入所条件・施設基準・費用についてわかりやすく解説】

介護医療院って何? 介護の備え

介護医療院って聞きなれないけど、どのようなサービスなの?

病院と比べて何が違うの?

介護医療院とは、要介護者(要介護1~5の方)に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する施設です

介護医療院とは従来から介護保険サービスで存在した「介護療養型医療施設」を受け継いだサービスです。

医療依存度の高い方が長期療養をする施設です。

「介護施設」に分類されますが、実際には病院の中に設置されていることが多いです。

介護医療院についてわかりやすく説明します。

介護施設を探している方、病気が治らず入れる施設がない方のご家族に読んでいただきたいです。

この記事を読めば介護医療院の概略について理解することができます。

介護医療院とは?

介護医療院とは、要介護者(要介護1~5の方)に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する施設です。

事業者向けの情報ですが、こちらで詳しく説明されています(外部サイト)

介護医療院はⅠ型とⅡ型に分類されます。

Ⅰ型…介護療養病床相当

   = 病院型

Ⅱ型…老人保健施設相当以上

   = 老健型(Ⅰ型に比べて病状が安定している方が対象)

一つの建物の中にⅠ型とⅡ型の両方が存在することもあります。

介護医療院は医療ケアを必要とする高齢者の入所先として、比較的新しく整備された施設サービスです。

令和3年時点で全国に617か所設置され、約38,000人が利用しています。(厚生労働省「令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況」)

特養や老健と比べると数が圧倒的に少ないです。

従来から存在していた介護療養型医療施設は廃止される予定でした。

しかし、実際には長期療養を必要としている高齢者の退院後の行き先がなく、病院で待機せざるを得ない状況が続きました。

治療を終えた人々がそのまま入院し続ければ医療費が膨らみ、医療保険の存続が危ぶまれます。

そこで、国は方針を転換し、長期療養ができる介護医療院を新たに創設しました。

(こうなると介護保険の財政が圧迫される恐れがあるのですが…)

介護医療院と介護療養型医療施設のサービスに大きな違いはありません。

もともと存在した介護療養型医療施設を復活させたと考えるとわかりやすいです。

介護療養型医療施設は廃止予定であることに変わりありません。

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入院治療が必要だと入所できない

要介護1~5の認定を受けた介護保険被保険者が利用できます。

介護医療院は長期療養できる施設です。

運営している法人のうち9割が医療法人です。

ほとんどが病院やクリニックを併設しています。

介護医療院「入所」を「入院」と呼ぶことも少なくありません。

このように医療を提供することを前提としていますが、厳密にいうと病院ではありません。

したがって、入院治療が必要な状態では入所できない場合があります。

(介護医療院がわかりにくい理由がここにあります。)

国が出した通達によると、「入院治療の必要がある場合その他入所者に対し自ら適切な介護医療院サービスを提供することが困難な場合」に入所を拒否される場合があります。(老老発 0322 第1号 平成30年3月22日「介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について」

「入院治療の必要」の程度については具体的な基準はありません。各施設の裁量にゆだねられています。

入院治療が必要と判断されれば入所を拒否される恐れがあります。

特養や老健もお考えの方はこちらの記事もご覧ください。医療体制の比較ができます。

施設基準は老健に似ている

上述の通り、全国にある介護医療院のほとんどが病院を併設しています。

なかには、病棟内を「病院」と「介護医療院」に区分しているところもあります。

一見すると医療機関に見えます。

介護医療院は「明るく家庭的な雰囲気を有する」ことを基本方針としているので、

談話室や食堂、レクリエーションルームを備えています。

設備基準に関して言えば、病院ではなく老健に近い基準です。

老健を検討されている方はこちらの記事もご覧ください。

人員基準については、医師や看護師、介護職はもちろんのこと、理学療法士やケアマネジャーがいます。

介護を受けるには充分な体制です。

ただし、病院を併設している場合、病院と介護医療院を兼務することがあります。

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費用は老健と同じくらい

介護医療院を利用するときにかかる費用の内訳は次の通りです。

介護医療院の費用内訳

・基本サービス費

・食費

・居住費

・理美容代

(・個室代)

個室代は個室を利用する場合にかかります

トータルで月額14万円ほどです。(自己負担1割。減免制度を利用せず個室を利用しない場合。)

水道光熱費や医療費・おむつ代は「基本サービス費」に含まれます。

老健と比べて若干高めですが、ほぼ同じと考えてよいでしょう。

他のサービスと比較したい方はこちらの記事をご覧ください。

ケアマネ試験で介護医療院が出題されました。受験を考えている方はこちらもご覧ください。

まとめ

介護医療院とは、要介護者(要介護1~5の方)に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する施設です。

入院治療が必要な状態では入所できない場合があります。

療養室や診察室のほか、談話室や食堂、レクリエーションルームを備えています。

利用料は月額14万円ほどです。(第4段階で個室を利用しない場合)

介護医療院は入院治療を終えたのち、長期療養を必要とする方にお勧めです。

施設探しをしている方の参考になればうれしいです。

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