職場環境が悪いのは社長や上司のせいだっ!
もっと働きやすい職場にしてくれよ!
福利厚生が整っている会社に転職しようかな…
ストレスフルになる原因の一つに、今の時代が「単純労働」から「知識労働」へ転換していることが挙げられます。
そこで求められるスキルが「マネジメント」です。
マネジメントは経営者や管理職だけに求められるスキルのように聞こえます。
しかし、組織で働くすべての人にとって、マネジメントは必要なスキルです。
労働者にできるマネジメントは次の3つです。
この記事を読めば、労働者目線でマネジメントとは何かを知ることができます。
筆者は介護業界で勤務し、労働者と管理職の両方を経験しました。
立場の違いにより行動も変化します。
「あのとき上司の言っていたことが今になって分かった!」と思うこともしばしば…
反省も含めて、これまで得た経験をもとにお伝えします。
マネジメントは介護業界だけでなく、組織で働いていればどんな業界でも共通しています。
ぜひご一読ください。
なお、記事の執筆にあたり、ドラッカー氏が記した『マネジメント』を参考にしました。
・P.F.ドラッカー著・上田惇生編訳『マネジメント【エッセンシャル版】-基本と原則』ダイヤモンド社、2001年
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内容が難しいので、以下の解説本も参考にしました。
・上田惇生『NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント』NHK出版、2012(以下、『100分de名著』)
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・岩崎夏海『高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』ダイヤモンド社、2009年(以下、『もしドラ』)
『もしドラ』は文庫版やkindle版もあります。
・(文庫版)岩崎夏海『高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』新潮社、2015年
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上記書籍は聞くこともできます。忙しい方はどうぞご利用ください。
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少しでも興味が湧いたらぜひお読みください。
単純労働から知識労働へ
ドラッカーは『経営者の条件』という本の中で、未来の働き方を予測しています。
産業革命の時代以降、単純作業を分担して行うため多くの労働力が必要とされ(これを「単純労働」と呼びます)、多くの人が労働力として担ってきました。
しかし、機械化や情報化が進み、現代では物理的な力よりも情報のコントロールが重要になってきました。(これを「知識労働」と呼びます)
必要なスキルは「単純労働」から「知識労働」へと変化しました。
ドラッカーは2020年~2030年の間に「知識社会」が到来することを予測していました。
ほぼ当たっているではないですか!ビックリです!
工場や建築現場で働くブルーカラーの人であっても、自らの生産性を高める工夫を考えて、自分の「強み」を発揮しつつ仕事に励む人は、知識労働者ということになります。
言われたことだけをやるのではなく、常に自分の頭で考え行動する人は、すべて知識労働者と言ってよいでしょう。
『100分de名著』より
介護や看護の仕事も、どちらかと言えば単純労働に近いのではないでしょうか。
生産性を高める工夫を考え、自分の強みを発揮することにより、単純労働者から知識労働者に変化するのですね。
介護の仕事で例えば、入浴介助で人力移乗動作をするのではなくリフト操作をすること、記録を手書きではなく音声で入力すること、認知症高齢者の夜間起き出しの回数を把握して行動分析をすること。
介護だけではなく、看護師、理学療法士、工場で働く人や配送作業者など、すべての仕事に知識労働が当てはまります。
これからの時代は「単純労働」ではなく、「知識労働」が求められます。
理屈は分かるけど、現場で実践するのは大変なんだよ…
たしかに、ドラッカーの理論は綺麗ごとのように聞こえます。
果たして、考え方ひとつで私たちの行動が変わり、職場環境は変わるのでしょうか?
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労働者に必要なマネジメント
単純労働よりも知識労働が求められていることは分かりました。
知識労働をしろと言っても、具体的にどんなスキルが求められるのでしょうか?
その一端を担うのが「マネジメント」です。
ただし、後述しますがマネジメントは完璧なスキルではありません。
ドラッカーは、「マネジメント」とは会社などの組織における中核機関だと述べています。
マネジメントは会社組織のかじ取りをする社長や管理職が行うものと考えられます。
しかし、読み進めていくと、ドラッカーは「労働者にもマネジメントは必要だ」と言います。
それはなぜでしょう?
一般的にイメージされるマネジメントを、ドラッカーは否定します。
マインドコントロールとか、人を追い立てるようなやり方はマネジメントではなく、むしろ馬鹿げていると言うのです。
重要なことは3点です。
『マネジメント』より
- その第一は、仕事と職場に対して、成果と責任を組み込むことである。
- さらに、共に働く人たちを生かすべきものとして捉えることである。
- 最後に、強みが成果に結びつくよう人を配置することである。
んっ?どういう意味?…
筆者ゆうすけが労働者の観点で読み替えると…
以上の通り解釈しました。
1つずつ具体的に説明します。
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①成果を褒めてもらうのも良いが、自分のとった行動に対して責任を持つこと
会社に雇用されている以上、会社や上司の指示に従って行動するのは当然です。
しかし、「上司が言ったことだから、自分には責任がない」と考えるのは杓子定規で正しくありません。
たしかに、会社で損失が生じたときに最終的な責任を負うのは経営者である社長です。
しかし、一つ一つの仕事を任されているのは社員・職員です。
給料を受け取って仕事をしているのですから、それに見合う成果を出すように努めなくてはいけないのが辛いところです。
…とは言え、社長や上司の顔色をうかがいながら仕事をすると他人依存になりがちです。
適正な評価を受けるために会社の指示に忠実になるのは良いのですが、固執すると外に目が向かなくなり、顧客のニーズが見えなくなる危険があります。
②同じ職場で働く人たちが、お互いに尊重して「強み」を発揮できるよう配慮し、決して粗探し(あらさがし)をしないこと
よく研修でグループワークをするとき、講師は「発言者の良いところをコメントしましょう」とアドバイスします。
「そんなの生ぬるいよ。相手を批判して修正するのがグループワークでしょ?」
本当に生ぬるいと言えるのでしょうか?
批判するのがポイントなのではなく、連携してアイディアを生み出すことがポイントです。
グループで切磋琢磨すること、そこに「貢献感」があると新しいアイディアが浮かび、グループ全体の連帯感が生まれます。
「貢献感」についてはこちらの記事で触れています。
弱点を気づかせてあげることも大切なのですが、多くの人は自分の弱点に気づいていても克服できないことを知っています。自分に対して不満をもちストレスがかかり、次第に自己嫌悪に陥ります。
そうならないためにも周囲で働く同僚がフォローすることのほうが、チームとしてまとまります。
どちらかと言うと「性悪説」ではなく、「性善説」の考え方になります。
③「適材適所」を意識する 「強み」を自覚し、強みを発揮できる環境づくりに努めること
適材適所に配置するのは経営者や管理職の仕事です。
しかし、労働者が自分の強みを知っていたら自己主張もできるのです。
社長・管理職に自分の強みを見抜いてもらうよりも、自分で強みを主張するほうが伝わると思いませんか?
強みを生かした環境で働いていれば組織はうまく回ります。
自分の強みを生かしきれていないと感じたら、上司へ「相談する」「異動願いを提出する」などして意思表示をするのが良いでしょう。
自分軸で判断する
自分の果たす役割を明確にすることによって、
- 自分に合った職場環境で働くことができます。
- 会社の目的を職員同士で共有することができます。
組織で働くすべての人にとって、マネジメントは必要です。
労働者のマネジメントとは自らをマネジメントすること、つまり、自分を律することなのです。
「弱点を克服する」のではなく、「強みを生かす」ことが大切です。
その際、注意点があります。
「誰かが言うから…」と他者の意見に流されないことが大切です。
「自分軸」で物事を見て、自分で判断することが必要です。
他人を変えることはできません。自分が変わることです。
「自分軸」についてはこちらの記事をご覧ください。
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努力しても改善できなければ転職すべし
会社の中の対人関係は複雑です。
いくら努力しても叶わないことはあります。
マネジメントを習得していれば、素晴らしい職場によみがえるとは限りません。
どうしても改善できない場合は転職して環境を変えるのが良いでしょう。
転職はリスク高いですが…留まることも、またリスクと言えます。
時間は有限です。
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様々な事情により円満退職が難しい方には、退職代行サービスがあります。
有料ですが、会社との煩わしいやり取りを仲介してくれます。
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まとめ
労働者が知っておきたい「マネジメント」についてドラッカーの著書をもとに考えてみました。
現代はすべての職業が「単純労働」から「知識労働」へ変化しています。
労働者にできるマネジメントをご紹介しました。
これがマネジメントのすべてではありません。
また、マネジメントは完璧ではありません。
普段漫然と仕事をする中で、労働者の立場としてマネジメントすると、少しだけ上司の気持ちが分かるかもしれません。
働くモチベーション維持につながれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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