詳しく知りたい「高齢化」【介護支援専門員試験2023年-問1】

詳しく知りたい「高齢化」【介護支援専門員試験2023年-問1】 介護支援専門員試験

何歳の人を「団塊の世代」と呼ぶの?

高齢者は将来どれくらい増えるんだろう?

団塊の世代は1947~1949年(昭和22~24年)に生まれた世代です。

2023年時点で75歳前後の高齢者のことを指します。

国立社会保障・人口問題研究所によると、2042年に高齢者人口が最も多くなります。

その数は約3,935万人になるそうです。多いですね。

高齢化が進んでいることは知っていても、どれくらいのスピードで進むのか?意外と知らないこともあります。

この記事を読めば、高齢者の人口動態や将来の見通しについて理解を深めることができます。

2023年の介護支援専門員試験で出題された問題をもとに、高齢化について掘り下げたいと思います。

このブログではケアマネジャー試験に役立つ情報を配信しています。

よく出る問題を解くことで正答率も上がります。本試験のスピード合格を目指します。

筆者は試験に合格後、老健でケアマネジャーをしていました。

試験勉強の合間に気軽にご覧ください。

問題と解答【2023年-問1】

ケアマネは高齢者のケアプランを作成するので、高齢化のことを知っておくと便利です。過去と将来の傾向を大まかに押さえておきましょう。

2023年に出題された介護支援専門員試験の問題です。

問題の直後に正答を掲載しています。

問題1 高齢化について正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 2025(令和7)年には、いわゆる団塊の世代が85歳に到達する。
  2. 2021(令和3)年国民生活基礎調査によると、65歳以上の者のいる世帯では「三世代世帯」の割合が一番多い。
  3. 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(平成30年推計)によると、世帯主が65歳以上の世帯数は2040(令和22)年まで増加し続ける。
  4. 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成29年推計)によると、前期高齢者の人口は、2015(平成27)年と比べて2045(令和27)年では倍増する。
  5. 2019(令和元)年度末における85歳以上の介護保険の被保険者に占める要介護又は要支援と認定された者の割合は、50%を超えている。

3・5

それぞれの選択肢について、簡単にポイントをまとめました。

解法のポイント
  1. 団塊の世代というと、高齢者全般をイメージします。具体的に何歳のことを指すのでしょうか?後述します。
  2. 祖父母、父母、子(孫)で同居する「三世代世帯」は今では珍しくなりました。
  3. 高齢者の単独世帯が増えているとすれば、おのずと世帯主は高齢者になります。
  4. 65~74歳の前期高齢者の「人数」は、2015年から2045年の30年間で2倍まで増えるでしょうか?後述します。
  5. 年をとればとるほど介護が必要になります。85歳以上の介護保険利用者は、被保険者のうち半分以上もいます。

団塊の世代は何歳か?

高齢化は将来進んでいくのか?

次章で解説します。

団塊の世代は1947~1949年(昭和22~24年)生まれ

団塊の世代って、だいたい70~80歳くらいでしょ?

実は76~74歳が団塊の世代です。(2023年現在)

まだ80歳を超えていません。

1947~1949年(昭和22~24年)の3年間の間に生まれた人々を「団塊の世代」と言います。

ベビーブームです。

余談ですが、団塊の世代の「次の」世代が1971~1974年(昭和44~49年)生まれで「団塊ジュニア」と呼ばれます。

第二次ベビーブームです。

それぞれ3~4年間の出来事だったのですね。

10年くらい続いたのかと思っていました…

高齢化の20年後は「人数」が減り「割合」が増える傾向

国立社会保障・人口問題研究所の統計資料を見るとその差が分かります。

将来の推計人口グラフ

引用元:国立社会保障・人口問題研究所編「日本の将来推計人口(平成29年推計)」3ページ

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_ReportALL.pdf

(外部リンク)

図Ⅱ-2は人口、つまり「人数」の推移です。

図Ⅱ-3は人口に占める高齢者の「割合」の推移です。

グラフを見れば「割合」のほうが右肩上がりになっていることが分かります。

高齢化が進んでいるからと言って、将来の高齢者の「人数」が増え続けるとは限らないのです。

「高齢者の割合」は将来に向かって増え続けますが、「高齢者の人数」は2045年ごろをピークに減少に向かいます。

少子化により全世代の人口で減少するから、高齢者の割合は高いままなのです。

統計資料の読み方は正確さが求められます。難しいです…

「人数」と「割合」の違いを理解しましょう。

解説

問題1の各選択肢を解説します。

すでに理解している選択肢は読み飛ばしていただいて結構です。

問題1 高齢化について正しいものはどれか。2つ選べ。

1.2025(令和7)年には、いわゆる団塊の世代が85歳に到達する。

 2023年時点で76~74歳、2025年時点で78~76歳が団塊の世代です。  →誤り

2.2021(令和3)年国民生活基礎調査によると、65歳以上の者のいる世帯では「三世代世帯」の割合が一番多い。

 現代において、サザエさん一家のような三世代世帯は少ないです。 →誤り

3.国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(平成30年推計)によると、世帯主が65歳以上の世帯数は2040(令和22)年まで増加し続ける。

 「日本の世帯数の将来推計」6ページによると、2015年から2040年にかけて、高齢者の単独世帯数は625.3万→896.3万へ増加する見込みです。 「夫婦のみ」「親と子」「ひとり親と子」のいずれの核家族世帯も同様に増加しており、同じ傾向です。  →正しい

4.国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成29年推計)によると、前期高齢者の人口は、2015(平成27)年と比べて2045(令和27)年では倍増する。

 「日本の将来推計人口」によると、(前期高齢者に限定することはできませんが、)65歳以上の人口は3,000万→4,000万で2倍に達していません。 大まかに見れば前期高齢者も同じ傾向であると推測できます。  →誤り

5.2019(令和元)年度末における85歳以上の介護保険の被保険者に占める要介護又は要支援と認定された者の割合は、50%を超えている。

 年齢が高くなれば、転倒が増え病気にかかりやすくなります。 介護保険を利用する確率は増加します。 →正しい

正答 3・5

おさらい記事はこちら

以下のリンクから、お好きな記事へアプローチすることができます。

ぜひご活用ください。

まとめ

高齢化について解説しました。

団塊の世代は1947~1949年(昭和22~24年)に生まれた世代のことです。2023年時点で75歳前後の高齢者を指します。

統計データでいう、「人数」と「割合」は異なる傾向を示すこともあり得ます。

高齢化が進んでいるからと言って、どんな値も増加するわけではありません。

将来にわたって、日本の高齢者人口は減少しますが、高齢化率は高止まりになります。

大まかな傾向を押さえましょう。

少しでも試験勉強に役立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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