心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状4つ【社会福祉士試験2024年-問12】

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状4つ【社会福祉士試験2024年-問12】 社会福祉士試験

PTSDにはどのような症状があるの?

心的外傷後ストレス障害(PTSD)では次のような症状が出現します。

PTSDの症状
  • 侵入症状
  • 回避症状
  • 認知と気分の陰性の変化
  • 覚醒度と反応性の著しい変化

上記の症状が1か月以上持続した場合にPTSDと診断されます。

今回は、社会福祉士試験の過去問を通じてPTSDを学習します。

この記事を読めば、「PTSDって聞いたことがあるけど、具体的にどんな病気なの?」

という疑問を解決することができます。

社会福祉士の筆者が過去問の解き方を詳しく説明します。

問題と正答【2024年-問12】

まずは社会福祉士試験に出題された過去問を解いてみましょう。

問題の直後に正答を記載しました。

ひょっとしたら、PTSDについて知らなくても正解できるかもしれません。

問題 12 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に関する次の記述のうち,回避症状の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ささいな事でもひどく驚いてしまうようになった。

2 事故が起きたのは全て自分のせいだと考えてしまう。

3 つらかった出来事を急に思い出すことがある。

4 交通事故にあった場所を通らないようにして通勤している。

5 大声を聞くと虐待されていたことを思い出し苦しくなる。

解法のポイント

問題文中「回避」に注目!

明らかに出来事を避けている選択肢は1つしかありません。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状

PTSDというと、脅迫や虐待、交通事故、災害などの悲惨な体験を思い出すイメージがあります。

まさにこれはPTSDです。

試験対策として整理すると、次のように分類されます。

PTSDの症状

・侵入症状
不安な気持ちがよみがえり、突然その人の心へ侵入してきます。

・回避症状
不安を避けるために、体験したことを思い出さないよう努めます。

・認知と気分の陰性の変化
陰性(ネガティブ)から離れられず、陽性(ポジティブ)になれません。

・覚醒度と反応性の著しい変化
過敏になり、集中力低下、睡眠障害を引き起こします。

(参考文献)一般社団法人 日本トラウマティック・ストレス学会

これらの症状は、すべて過去の体験がもとになっています。

幻覚など、体験していないことを原因とする症状はPTSDと呼びません。

症状は単発的なものではなく、1か月以上続きます。

平易な言葉で説明されている、こちらのサイトが参考になります。

解説

前出の問題12を再掲します。

前章の4つの症状のどれに当てはまるか、分類してみましょう。

問題 12 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に関する次の記述のうち,回避症状の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ささいな事でもひどく驚いてしまうようになった。

× 誤り

過敏に反応する「覚醒度と反応性の著しい変化」です。

2 事故が起きたのは全て自分のせいだと考えてしまう。

× 誤り

ネガティブになってしまう「認知と気分の陰性の変化」です。

3 つらかった出来事を急に思い出すことがある。

× 誤り

意図せずに思い出してしまう「侵入症状」です。

4 交通事故にあった場所を通らないようにして通勤している。

〇 正しい

トラウマ(心的外傷体験)を思い出さないようにする「回避症状」です。

5 大声を聞くと虐待されていたことを思い出し苦しくなる。

× 誤り

「侵入症状」および「覚醒度と反応性の著しい変化」です。

正答 4

「回避」という言葉から連想されるように、何かを避けている選択肢を選ぶことがポイントです。

まとめ

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を症状別に分類しました。

PTSDの症状
  • 侵入症状
  • 回避症状
  • 認知と気分の陰性の変化
  • 覚醒度と反応性の著しい変化

社会福祉士受験生にとって、PTSDについて深く学習する機会は少ないと思います。

これを機に、体系的に理解しておくと、本試験でも慌てずに得点できます。

ぜひ、お役立てください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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