自閉スペクトラム症は、単に「自閉症」とか「自閉スペクトラム障害」などと呼ばれています。
従来の自閉症という名を、より多くの症例に当てはめることにより、広く知れ渡るようになりました。
自閉症は昔から多くの人に知られていたのですが、自閉スペクトラム症(ASD)として認知されてきたのは、ここ数年の話です。
この記事を読めば自閉スペクトラム症(ASD)の基本的な知識を理解することができます。
社会福祉士国家試験の試験対策としてご活用ください。
実務に携わっている方にとっても有益です。
今回は、Q&Aでまとめています。
読み物として気楽にご覧ください。
社会福祉士として知的障害者の方と接してきた筆者が、分かりやすくお伝えします。
問題と正答【2024年-問5】
2024年第36回社会福祉士国家試験に出題された問題を解いてみます。
問題の直後に、正答とポイントを掲載しています。
問題 5 自閉スペクトラム症(ASD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 成人になってから発症する。
2 こだわりは強くない。
3 幻覚がみられる。
4 常同的な行動は認められない。
5 相手の気持ちを理解することが苦手である。
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自閉スペクトラム症の疑問あれこれ
社会福祉士試験の受験を考えていれば、自閉スペクトラム症という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし、まだ不明な点も多く、謎が多いのです。
社会福祉士試験では、明らかになっている部分について出題されます。
解釈が分かれる問題は出題されません。
上記の過去問を参考に、よくある素朴な疑問をまとめました。
Q1. 病気ではなく障害?
A1.「病気説」、「障害説」、「どちらでもない説」の3種類がある。
ASDは個人差が大きいため症状もさまざま。
最終的にDr.が判断することです。
いずれにしても、発達障害の一種に分類されていることに間違いありません。
症状の重さや支援の必要性に応じて、診断も変わってくるのかと思います。
近年、HSPの例に見られるように、ASDは個性の一種とみなされ、病気にも障害にも当てはまらないとする説もあります。
前述した通り、解釈が分かれる問題は出題されません。
試験対策としては、病気か障害か?という観点は重要ではありません。
どのような症状があるのか?という点に的を絞って対策をすると良いでしょう。
Q2. 大人にならないと診断されない?
A2. 子どものうちに判明することがある。
最近ではASDが認知されてきたためか、乳幼児健診で早期に診断されることも珍しくありません。
自分や周囲が気づかず、大人になってから初めて病院へ行く人もいます。
自閉症を定義したレオ・カナーは児童精神科医でした。
Q3. こだわりがある?
A3. こだわりが見られるが、見られない場合もある。
試験対策としては、「ASDはこだわりが見られる」と覚えて問題ありません。
実際には、個人差があるので周囲から見ても気づかない場合もあります。
こだわりを制止しても、続ける人。
制止すれば止める人。
人それぞれ個人差があります。
Q4. 幻覚はある?
A4. 幻覚はない。
ASDが直接幻覚を引き起こすわけではありません。
ASDで幻覚が見られる場合、統合失調症やアスペルガー症候群を併発していることがあります。
統合失調症やアスペルガー症候群を原因として幻覚が出現することが考えられます。
Q5. 常同行動がある?
A5. 常同行動があるのが一般的。見られないこともある。
ASD患者のすべてに当てはまるわけではありません。
やはり個人差があります。
原因は様々指摘されていますが、同じ行動を繰り返す点は共通しています。
例えば、このような場面を見たことはありませんか?
昨今では、これらの常同行動は「症状」ではなく、「特性」と考える傾向にあります。
病気であれば「治さなければ」と思いますが、クセだと思えばこれらの特性も理解できます。
Q6. 空気を読むことができないって本当?
A6. 本当。空気を読むのが苦手。
コミュニケーションをとることが難しいです。
アイコンタクトといったハイレベルなコミュニケーションであれば、なおさらです。
まとめ
自閉症スペクトラムにまつわる疑問をQ&Aでお伝えしました。
「問題 5 自閉スペクトラム症(ASD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。」
の答えは…
「5 相手の気持ちを理解することが苦手である。」
でした。
この記事が、ASDの理解に少しでも役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。